現在の私 体操服と縄

SM

ブルマ世代のミキにとって、学生時代の体操服は単なる古着ではなかった。それは、服従の象徴であり、強制されて調教された記憶。

そして今、様々な役割を演じないといけない毎日の中でストレスを感じた時。なぜかその重圧からフワッと解放してくれる服。あの白い生地に袖を通すと、一時的になぜだか「何者でもない」自分に戻れるような気がした。

しかし、なぜ体操服を着ると心の重荷から解放されるのかがミキには謎だった。

そんな時、ネットで見つけたSMクラブの女王様の存在が、彼女の心に希望をもたらした。女王様と対面したミキは、勇気を出して体操服への複雑な想いを打ち明けた。

女王様はミキの言葉に耳を傾け、核心をついた。

「体操服は、あなたにとって集団への服従の象徴。学校に全てを委ねて調教された記憶。でも逆説的にそれが日々の役割から解放してくれるツールなのですね。それは、私たちにとっての縄と同じかもしれません」

女王様は言う。

「体操服の拘束(校則)は学校に全てを委ねること。縄の拘束は私に全てを委ねること」

女王様は続けた。

「縄による拘束は、自己のコントロールを手放すことで、日常のしがらみから解放される感覚をもたらします。それは、体操服を着ることで無意識に得ていた感覚と、根は同じなのかもしれません。だとするならば…」

女王様の瞳が妖しく光った。

「体操服と縄を組み合わせることは、あなたにとって最強の解放をもたらすのではないでしょうか」

その言葉に導かれるように、ミキは女王様の提案を受け入れた。

ミキは持参した恥ずかしい物を差し出した。懐かしい学校指定の半袖体操服とブルマー。そして女王様はしなやかな麻縄を用意した。ミキは体操服に身を包み、ブルマーの感触に微かな抵抗を感じながらも、ミキは女王様の前にひざまずいた。

女王様の手によって、ミキの体は丁寧に縄で縛られていく。体操服の上から締め付けられる縄の感触は、かつて感じたことのない奇妙な感覚だった。無防備な姿をさらし、完全に他者に委ねるという状況。その中で、ミキは驚くほど心が静かになっていくのを感じた。

動けない。あらがえない。ただ、そこに「体操服とブルマー姿で縄に縛られている自分」が存在するだけ。

普段は意識することのない自分の輪郭が、縄によって強調され、研ぎ澄まされていくような感覚。無個性であるはずの体操服が、逆に「今、この状態の自分」を強烈に意識させるという、不思議な体験だった。

突然、女王様はミキを無理やり大きな鏡の前に連れて行った。縄で縛られ、体操服とブルマー姿の恥ずかしい自分の姿が、そこに映し出されていた。

ミキの脳裏に、夏の激しいバレーボール部の練習風景が蘇った。

鏡に映る無防備で拘束された自分の姿と、脳裏に蘇るあの夏の記憶。その二つが重なった瞬間、ミキの中で何かが弾けた。

その瞬間を見た女王様はゆっくりと拘束を解いていった。身体が拘束から解放された時、ミキの心にも解放が訪れていた。全てを相手に委ねると逆に自由になれた。

女王様との出会いと、体操服と縄による解放の儀式。それはミキにとって強制の象徴である体操服が、現在の自分を解放するツールになるという逆説的な体験だった。

相変わらず体操服への拘りはあるけど、その拘りを受け入れ、新たな自己認識を得たミキは、以前よりもずっと穏やかな表情をしていた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました